2012/08/05

curation #3: 北欧ブランド・タイガーのこだわるAffordable Designとは/Facebookページがターゲティング強化


コペンハーゲンからやってきたタイガーは刺激的 - 大西宏のマーケティングエッセンス 2012/7/30


デンマークの「タイガー」という低価格の雑貨チェーンが、先日大阪にオープンしました。大西氏は、北欧ブランドであるこのタイガー、そしてIKEAやH&Mなどと比べると、日本の製造販売のビジネスは行き詰まっているのではないか、と指摘しています。そこで、タイガーの人気については以下のような興味深い分析をしています:
ところでタイガー人気はさまざまなことを感じさせてくれます。消費低迷というけれど、それは供給サイドにも責任があるのではないかということです。消費者が感動する他にはない価値を提供すれば人は並んでも買いに来てくれることをタイガーが示してくれています。 
つぎにタイガーは、自らはディスカウンターだとは考えていません。製造と販売を一体にした、デザインとグローバルな商品の調達力で、「Affordable Design(購入可能なデザイン性)」を実現していることです。しかも商品だけでなく、店舗での体験を通じて、つまり事業全体で、手軽な価格で楽しいデザインのアイテムを選んで手に入れる価値をも実現しているユニークさがあります。 
タイガーを見ていて希望が持てると感じたのはデザインの力です。もちろん私達が若い頃からコペンハーゲンのデザインは家具にしても、食器にしても、雑貨やアクセサリーにしても独自のデザインで人気があったのですが、日本も負けず劣らずデザインを生みだす力では優れた国だからです。課題はデザインをどうビジネスに取り込むか、ビジネスに生かすかでしょう。
「Affordable Design(購入可能なデザイン性)」という言葉は初めて聞いたので、なるほど!と思いました。なんとなく「デザイン」と聞くと、それなりのお金を出さないと手に入らないもの、という印象を受けてしまいます。そして、「手軽な価格」と聞くと、まずデザインにこだわっちゃいけないな、と反射的に思ってしまいます。この二つの、一見相反するような言葉をくっつけてしまった「Affordable Design」という考え方は、生活者(私のようないわゆる庶民ですが)視点に立った、とても素敵な発想だと思います。日本発のAffordable Designといえばユニクロ?今後、他にも色んなブランドが世界で活躍してくれると嬉しいですね。

ちなみに私がスウェーデンに住んでいた頃、スーパーのプライベートブランド商品のデザイン力の高さに圧倒された思いがあります。そのことについて以前ブログ記事を書きましたが、下の商品写真だけでもぜひご覧ください。これもまさに、Affordable Designですよね。買い物してるだけで楽しくなりますよ!












Facebookが強力なマーケティング・ツールを発表―ページ記事が年齢、性別、いいね!などによってターゲティング可能に - Tech Crunch Japan 2012/8/1 


今まで地域や言語でしかターゲティングできなかったFacebookページの機能が拡張し、ユーザーの年齢、性別、学歴、交際ステータス、職場などの様々な特性に応じて記事を配信することが可能になったとのこと。ターゲティングがより正確になることで、企業はマーケティングツールとして今後更にFacebookに依存することになるだろう、とTech Crunchのライターは予測しています。

今の時代恐らく多くの人は、マスメディアの一方的な情報発信に嫌気が差していて、ウェブ・スマートフォン・ソーシャルメディアなどを介してよりパーソナライズ&オプティマイズされた情報だけを求めているように思います。そんな中、このFacebookページの機能強化というのは、ある意味私たちの求めているものを提供してくれていると捉えることもできる気がします。にも関わらず、プライバシーが侵害されているような不気味さを感じてしまうのは私だけでしょうか。パーソナライゼーション&オプティマイゼーションの流れは今後更に加速すると思いますが、私が今感じているこの矛盾だけは、なんとなく忘れないでおきたいものです。