そんな気付きのきっかけを与えてくれたエッセイを紹介します。
(一部私自身の解釈も混じっています)
Wallenberg, Louise
"Straight Heroes with Queer Inclinations: Male Film Stars in the Swedish 1930s" In
Queering Representations of Straightness (2009)
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1910年代から20年代前半におけるスウェーデンの映画産業は欧米への輸出戦略に成功し、国際的な評価も高く、のちに
スウェーデン映画史の黄金時代と呼ばれるようになりました。
ところが1920年中頃に差し掛かるとその成長に翳りが出始めました。スウェーデンを代表する監督だったシェストレム(Sjöström)やスティラー(Stiller)、また圧倒的な人気を誇っていた俳優のグレタ・ガルボ(Greta Garbo)やラース・ハンソン(Lars Hansson)をハリウッドに失ったことに加え、世界恐慌により失業者も急増し、スウェーデンの映画産業は衰退していったのです。