そこで、スウェーデンのスーパーではどんな状況なんだろう?と関心を持ったので、少しレポートしてみたいと思います。まずは、大西さんのポストを一部抜粋させて頂きます:
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・売上に占めるPB比率がどうかというと、日本はPB商品の普及はまだまだ進んではいずナショナル・ブランド主導の市場です。
・イオンを例に取れば、「トップバリュ」の売上は、専門店の事業を除く小売部門の売上高でみても、PB比率は10%を超える程度です。
・(海外では)企業別に見ても、2005年とちょっと古いデータですが、売上ベースでのPB比率では、ドイツのアルディは95%、オランダのアホールドが48%、アメリカのウォルマートは40%と、イオンのPB比率とは大きく違っています。
・また自主開発したPB商品というよりは、それぞれの商品を見るとメーカーとの共同開発商品、いわゆるダブルチョップがほとんどです。ラベルを見ても販売者に製造元が表示され、クレームなどの責任を回避していることも本気度を疑わせます。
・つまりPB商品という利益率の高い商品は扱いたい、しかしリスクは取りたくないという体質が見え隠れするのです。それではブランドへの信頼を上げよう、また商品力を上げようという流れは育ちません。
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日本のPB商品がこんな状況だったことを、今まで知りませんでした。
ではスウェーデンのスーパーってどうなんだろう?
2-3日に一度は利用していますけど、PB商品についてあまり気にしていなかったので…状況をちょっと調べてみました。
スウェーデンの代表的な食品小売業グループは3つあり、マーケットシェアの大きさ順に並べると、 ICA、Coop、Axfoodです。
今日は、HemköpやWilly’sなどのチェーンを展開するAxfoodグループについてご紹介。
Axfoodは売上ベースでのPB比率が国内の競合他社と比べて一番高く、2009年で21%です。上記にあるドイツ・オランダ・アメリカの数字と比べるとまだ少ない印象ですね。ですが2009年秋からGarantという、かなり力を入れた(であろう)新しいPBが発表されており、しかもAxfoodグループの全チェーンで展開ということなので、今現在の状況を見たら
PB比率は上がっているかもしれません。
こちらがAxfoodグループのPB一覧表です:
基本的には競合ブランドと比較して10-15%ほど安い価格設定です。
表の一番上にあるのがGarantですが、それ以外にも、
HemköpとWilly’sそれぞれのチェーン名を冠したPB、
エコ/オーガニックという付加価値を付与したPB、
フェアトレードにこだわったPB、
低価格帯のPB、
バッテリーや電球等を扱うPB、
キッチン用品を扱うPBなど…
こんなに色んな種類があります。
ということで、実態を確かめてみようと、昨日は近所にあるHemköpを視察。
まず私の見た限りでは、PB商品のラベルに記されている企業名はAxfoodのみ。大西さんが日本のPB商品に対して指摘するような、「ラベルを見ても販売者に製造元が表示され、クレームなどの責任を回避している」ということは、一切見受けられませんでした。というかブランドとしてそれが当たり前の姿勢なんでしょうね。
そして今回初めて、意識的にPB商品と競合商品を見比べてみたのですが、印象的だったのはGarantというPBのパッケージにおけるデザイン性の高さ。Basというデザインエージェンシーに委託をしたそうですが、本気度が伝わります。
スーパーという環境で商品を選ぶ時は、ブランドネームはもちろんですが、パッと見た時の商品の印象というのも、ものすごく重要ですよね。特にコモディティ化した商品分野では、パッケージデザインで付加価値を加えることで新たな価値を生めるのかもしれません。もちろん、質や価格もポイントになりますが、視覚的に消費者を楽しませる、というところに力を入れたAxfoodには好感が持てます。
ということで、写真でご紹介。
(photosnackというスライドショー制作ソフトを初利用してみました)
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一つ一つの商品が非常に個性的ですよね。コーンフレークのパッケージは遊び心があって好きです。かわいいキャラクターを活用したジュースのパッケージもお気に入り。あと最後のお肉の写真ですが、牛やブタのシルエットを使っているところが、私のようなスウェーデン語が苦手な外国人にとっては優しくて助かります…。
デザイン中心になってしまうと思いますが、近々、ICAやCoopについてもレポートしてみたいと思います。