これが実はスウェーデン発だったということを昨夜知りました。
ドライバーにとって「楽しい」エコドライブ体験を実現するBlue Motion Technologyを
広く認知してもらうために生まれたFun Theory。どんな理論かというと…
どんなに平凡なことでも、そこに「楽しさ」の要素を盛り込むだけで、
人の態度や行動を変えることができる。
それが自分のためであっても、環境のためであっても、
重要なことは、その変化が以前よりも、より良い状況を生むことである。
という感じでしょうか。
担当エージェンシーはDDB Stockholmですが、
2009年に以下3本のバイラルビデオを作りました。
①階段をピアノに仕立てちゃった:
②ガラス瓶リサイクルゲームを作っちゃった:
ちなみにスウェーデンでは缶とボトルをリサイクルすると一部返金されますが、
ガラス瓶はそのような扱いになっていません。そのためか、リサイクル率が低いようです。
けどそんな問題も、Fun Theoryで解決!ちなみにココ、うちの近所です。
③世界一深いゴミ箱を作っちゃった:
つい最近、缶のポイ捨ては罰金が取られるようになりましたが、
それよりも公園は吸殻が物凄く多くて本当に汚いので、
それを捨てやすくするためにFun Theoryを活用したいものです。
これに加え、Fun Theoryキャンペーンの一環としてコンテストも実施し、
「交通環境をより良くするため、あるいは自然環境への配慮を促すために、
Fun Theoryをどのように活用できるか」というアイデアを一般から募集しました。
30カ国以上から700点ほどの応募があったのですが、
優秀賞を獲得したのは、サンフランシスコ在住のゲームデザイナー。
速度制限を楽しく守ってもらうためのちょっとした工夫として、
ちゃんと制限内に走った人の中から抽選でお金が当たる、というもの。
結果として、このエリアでの平均速度が実施前と比べて22%ダウン。
スウェーデン国内でVolkswagenのマーケットシェア&セールスアップ。
更にエコカーのマーケットシェアも8%→15%に上昇。
ちなみにストックホルムだけでなく、スウェーデン国内の他の都市でも実践されたそうです。
ついでに、カンヌ国際クリエイティビティ祭では賞まで取ってしまいました。
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このFun Theoryですが、
スウェーデンに限らず世界中の文化圏域の人たちにも
共感してもらえる価値観を提供しているといえるのではないでしょうか。
スウェーデン語だけでなく英語でも展開されたグローバルなコンテストに、
30カ国以上から700点もの応募があったという事実は、一つの証拠だと思います。
(Fun Theoryに共感していなければ、時間と労力をかけてまで応募しないですよね)
世界的に有名なメディアアーティストであるアレクサンダー・ゲルマンのこの言葉が、
なんだかこのVolkswagenの例に当てはまるような気がするので、ご紹介します:
(佐々木俊尚氏「キュレーションの時代」から引用)
「魂に響くものなら、どんな文化とも共鳴しあえる。
本当のグローバルとは画一化されて巨大化することじゃなく、
人間の根源的な部分で相通じることができるようになることだ」
「グローバル」って、意外とシンプルなことなのかも。
これから、Fun Theoryを日常生活に取り入れる工夫をしてみようかな。
参考サイト:
Fun TheoryキャンペーンサイトThe Inspiration Room - Volkswagen Speed Camera Lottery