2011/07/19

「輸出」をキーワードにキャンペーンを展開するスウェーデンの下着ブランド。

今日のブログ記事は、「スウェーデン」「輸出」「下着」がキーワード。

実は人口938万人の小国であるスウェーデンは、輸出に大きく依存しており、
GDPに占める輸出比率が、なんと54%
(ちなみに輸出依存型経済と言われる日本は18%)

そんなスウェーデンの「輸出」ブランドと言えば代表的なものはIKEA、H&M、VOLVO等々。
しかし今回はあまり日本で知られていないであろう、ある下着ブランドを紹介したいと思います。

その名も、「Björn Borg」

テニスに興味のある方はご存知でしょうが、彼は1970年代から80年代にかけて大活躍をし、
4大大会通算11勝という驚異の記録を残した、スウェーデンが誇る男子プロテニスプレイヤーです。

日本語風に言えば「ビョルン・ボルグ」という発音になるのでしょうか。

そんな彼の名を冠にした下着ブランドが、「輸出」をキーワードに、
Facebookを活用した面白いキャンペーンを年中展開しているんです。

キャンペーン名称は、「SWEDISH EXPORTS」

その概要を一文で表すと:

Björn Borgブランドを世界中に広める(=輸出する)
手助けをしませんか?
といった感じです。


参加するには、Björn Borgの下着を使った写真を投稿するだけ。
そして毎週、投稿された写真の中から最もユニーク且つ大胆なものがスタッフによって選ばれ、
優勝者には、下着セットのプレゼント+その写真が1週間限定でブランドのfacebook page
プロフィール写真として採用されます。

下着のデザインは一つ一つ本当に個性があって面白いんですが、
その個性をただブランド側から提供するだけでなく、
「あなたはどんな個性を持っていますか?」
というファン側への問いかけを写真という形でフィードバックしてもらう、
という構図がなかなか興味深いです。

今週のベストはスウェーデン人によるこちらの投稿:


ちなみに以前Facebook上で問題となり、運営側から一方的に削除されてしまったのは、
デンマークからのこちらの際どい投稿:



更にブランドのファンは投稿された写真を評価することもできます。
毎月最も得票数の高い4枚の写真の中からBjörn本人が月間ベスト1枚を選び、
優勝者にはブランドグッズ、iPad2、そして本人が希望するチャリティー先に
100ユーロを寄付する権利をゲットできます。

毎週繰り返し行われるキャンペーンなので、
facebook pageの更新頻度も安定しているようです。
また、週間ベストに選ばれた人のおすすめの下着を
ディスカウントで売るなんてこともしています。

頻繁にファンとコミュニケーションを取ろうとする姿勢は、
彼らのブランドロイヤリティを維持・強化する上で重要ですね。

ちなみに今現在の輸出状況は下記の通り:



左から、
「輸出を手助けした人の数」(=写真投稿者数)
「制覇した国の数」(=写真送信元の国の数)
「未制覇の国」
「制覇した国の割合」

しかしBjörn Borgがテニス界で活躍していた時代に生きていなかった10代や20代の若者が、
ブランドを通してこの国民的ヒーローと繋がり続ける、ってなかなか面白いです。

このブランドが日本に輸出されるのはいつでしょうか。
松岡修造はちょっと…遠慮しておきたいので。



参考記事・書籍:
Björn Borg HP
The Local - Naked Scandinavians too much for Facebook (3/30/2011)
湯元・佐藤『スウェーデン・パラドックス』(日本経済新聞出版社)