2010/12/28

SFF#12: Microphone



Director:
Ahmad Abdalla

Stars:
Khaled Abol Naga, Menna Shalabi, Yousra El Lozy

予告編

粗筋:エジプト・アレクサンドリアのアンダーグラウンドアーティスト(音楽、グラフィティアート、映画など)に焦点を当てた映画。
母親の葬式に出席するため、久しぶりにアレクサンドリアに帰国したKhaled。そこから人生の新たなスタートを切ろうと心がけるが、恋も仕事も思い通りにいかない。そんな時、アングラで必死に自分たちを表現しようとする若者たちに出会い、刺激を受ける。自分に何かできることはないかと一緒になって考え、彼らをそばでサポートしていく。



感想: 主役兼監督とプロデューサーとのQ&Aセッションに参加してみた。

映画を見ていて「アーティストたちが物凄く素朴で自然体だなぁ」と思っていたら、彼らは実際にアレクサンドリアに住むアングラアーティストだとのこと。最初は彼らのドキュメンタリーを撮影する予定だったが、取材の過程で彼らに感情移入していったために、ドラマ性のある映画を作ることに方向転換したらしい。

言論の自由が政治や宗教によって制限されているエジプト
。そんな権力に抑圧されている若いアーティストに焦点を当てることで、彼らに表現の場を与えると同時に、多くの人に注目してもらう、ということが映画の目的だったとのこと。これは物凄く大事なことだと思う。けど、これをJean-Michel Basquiat : A Radiant Childと並べて考えた場合、若者がまだナイーブなうちにメディアという権力と深く接触し過ぎてしまうのは危険だな、と思ってみたり。プロデューサー曰く、エジプトで試写会を実施する時はアーティストによるライブコンサートも披露しようと思っているらしい。素晴らしい機会だとは思うが、あくまでも彼らの立場に立って考え、あまりプロモーションに暴走し過ぎないことを願う…。