2010/12/07

SFF#4: The Tree


The Tree (2010)

Director:
Julie Bertucelli

Cast:

Charlotte Gainsbourg
Morgana Davies
Marton Csokas


粗筋:

オーストラリアの田舎に暮らす幸せな6人家族に突然訪れた悲劇。父親が心臓発作で亡くなったのである。しかし長女のシモーヌは、父親が家のそばにある大きなイチジクの木に生まれ変わったと信じ、毎日その木と接するようになる。そのうち母親や次男もその木に妙な愛情を抱くようになる。だが時間が経つにつれてその木はまるで意思があるかのように徐々に暴れ狂うようになり、家族はある決断を迫られる。



感想:

景色も家族もストーリーも、何もかもが美しく感じられる映画でした。

大きなイチジクの木には本当に父親の命が吹き込まれたかのように、残された家族との間で不思議なコミュニケーションが展開されます。それを聞くとちょっとファンタジックな印象を受けるかもしれませんが、あくまでもリアルなヒューマンドラマという感じです。ベタな言い方ですが、自然との触れ合いがこんなにも美しく描かれた作品は初めてでした。

亡くなった父親がイチジクの木に生まれ変わったと信じ込むシモーヌが物語を進めていくのですが、この子役がとにかく素晴らしいです。母親よりもしっかり者で、意思の強い子で、怖いもの知らず。子役なのに、惚れました。約200人の中からオーディションで選ばれたそうです。

あとはやっぱりなんといっても存在感あるのが映画のタイトルにもなっている、The Tree。1000本近くのイチジクの木の中から選ばれたとのこと。

色んな意味で、美しいという言葉が相応しすぎる映画でした。