東京での年末の過ごし方と比べると、あまりにもあっさりのんびりしているストックホルムの年末です。
忘年会の嵐無し、
新年会の計画無し、
年賀状の準備無し、
テレビの特番無し、
初詣の予定無し!
そんなあっさりのんびりしている年末ですが、締め括りとしてこの4ヶ月間を振り返ってみようと思います。…といっても書きたいことはただ一つ。
ココに来てから一番の大きな変化は、ネットメディア中心の生活になったこと。
当たり前ですが、日本での社会人生活と比べたら今の学生生活のほうが明らかに自由時間が多い。その自由時間の約8割は、ネットメディアと接触しています(ちなみに今のアパートにはテレビが無く、新聞も購読していません)。もちろん日本でもネットメディアに接する時間はあったものの、割合でいったら今の比にはなりません。そもそも自由時間が少なかった上に、テレビや新聞にも時間を割いていましたし。
ということで、ストックホルムに来てからネットメディア中心の生活になったわけですが、この4ヶ月間で私が特に影響を受けた7つのメディアを取り上げ、個人的な話になってしまいますがそれぞれ紹介したいと思います。
(相当長くなってしまったので太字を読んで頂くだけでも結構です。)
①BLOGOS
『「BLOGOS」は、“情報発信・議論のきっかけ”となりうる良質な時事分析、オピニオンを含むブログをlivedoor ニュース編集部が整理・紹介するサイト』です(BLOGOSサイトより)。ストックホルムで知り合った日本人の方に教えてもらって以来、毎朝googleリーダーでまず確認するのはBLOGOSの最新記事。経済学者や政治家、フリージャーナリストやブロガーなど様々な方が政治・経済・社会・ビジネス等をテーマに語っている興味深い記事が沢山紹介されています。日本のテレビや新聞に接していなくとも、このBLOGOSを通じて日本では今何が話題になっているのかがある程度わかります。また、政治に関しては、政府の広報機関に成り下がっている大手新聞社の似たり寄ったりな棒読み的速報ウェブニュースを読むだけではなく、そのニュース内容を色んな角度から独自の視点で揉んで噛み砕いて鋭く分析しているブログ記事も合わせて読むほうが断然面白い。
②ニコニコ動画
正直、日本にいた頃は一度も利用したことがありませんでした。しかしココに来てからはテレビや新聞にほとんど触れずネットメディア中心の生活になっているため、余計上杉隆氏や岩上安身氏などのフリージャーナリストの活躍を目にする機会が増え、気付いたらtwitter経由でニコニコ動画に誘導されていました。既存メディアであるテレビや新聞では扱いづらい、もしくは扱うことすらできないタブーな人物やネタをニコニコ動画では堂々とノーカットでしかも生放送で全世界に向けて発信してくれる。これは驚異(そして脅威…)的メディアですね。私が最近見た生放送番組はというと:
・拝啓記者クラブ様 フリージャーナリスト大反省会2010 ・2010年こんなジャーナリズムで大丈夫か?・小沢一郎氏 × 岩上安身氏対談・若者の雇用対策・自殺大国ニッポンの真実・WikiLeaksとは正義なのか、犯罪行為にすぎないのか?・ニコ生ノンフィクション論 〜「ネット右翼」はどこにいる?〜
(…と並べてみたら線対称になった)「拝啓記者クラブ様…」なんて明らかにテレビでは放送できない番組。ちなみにこの番組の生放送中にPCから質問を送ったところ、司会の岩上氏に取り上げてもらい、上杉氏にお答え頂きました。その内容云々というよりも、日本とスウェーデンの距離を全く感じさせないこういったリアルタイムな双方向性コミュニケーションに改めて感動した私でした。
③メルマガ
私がここで言うメルマガというのは、無意識のうちに登録しちゃってた開く価値もない無料メルマガのことではなく、あくまでも有料メルマガのこと。ココに来てから唯一登録したのは、記者クラブ問題や官房機密費問題を追求し続けているフリージャーナリスト、上杉隆氏のメルマガです。例えテレビや新聞ではタブーのネタであったとしても、メルマガのようなメディアであれば、追求すべきコトを何のしがらみも無く堂々と伝えることができる。また、組織に属さないがために安定した収入の確保ができないフリージャーナリストという立場だからこそ、有料メルマガが彼らにとって重要なメディアであることは確か。もちろん新聞と比べたら情報量が明らかに違いますが、どちらのほうがお金を払う価値があるかと問われれば間違いなく前者ですね。
④ポッドキャスト
元々日本でラジオを聴く習慣はありませんでしたが、ココに来てからポッドキャストを通じてラジオの面白さを発見しました。ポッドキャストだとダウンロードしておけばいつでもどこでもオンデマンドで聴ける。そして尚且つ、ニコ動やメルマガほどではないですが、テレビや新聞のような自主規制が比較的少ない。とは言いつつもつい最近、上杉隆氏がレギュラー出演しているTBSラジオ「小島慶子キラ☆キラ」で元官房長官による圧力が原因により、彼の出演する放送回のみ一週間で削除されるようになったそうですが…。いずれにしても、一つの貴重な情報源として今後もポッドキャストを愛用していきたいと思います。
⑤Pandora TV
簡単に言ってしまえば、アップロード容量無制限の韓国版YouTubeです。今や韓国の大統領官邸や警察庁などの行政機関が定例記者会見映像や広報映像の配信を行なうような場であり、韓国の地上テレビ局のコンテンツも今年から放映されているようです。また、日本のアニメ・ドラマ・バラエティ等もアップロードされておりますが、当然無許可です(詳しくはウィキへ)。 日本国内ではJASRACから裁判で訴えられており、
2010年現在は運営停止中とのことですが、スウェーデンでは今のところ問題なく利用可能です。最近ではiPhoneアプリも登場し、私が愛して止まない「グータンヌーボ」「アメトーーク」「めちゃイケ」を毎週見ています。しかもオンデマンドで。スウェーデンまで行って何やってるの?と言われても構いません!だって日本のバラエティ面白いもん。それを改めて実感しました。…と同時に、CMを見ながら「あー、相変わらずパチンコ業界に携帯ゲーム業界、儲かってんなぁ」なんて思ったりもしています。
⑥USTREAM
たまたまtwitterのタイムラインで宇多田ヒカルがライブ生中継の告知をツイートしているのを発見。ということでタイミング良く12月9日の武道館ライブを丸ごとUSTREAMで観賞させて頂きました。スウェーデンにいながらもSOLD OUTライブを臨場感たっぷりでノーカット・高画質・無料で見れることの感動は、言葉では表しきれません。最近ツイッターを始めたり、YouTubeに全PVをアップロードしたり、新曲Goodbye HappinessのPVではPC視聴を意識した演出を心がけたりなど、かなりネットメディアを意識している宇多田ヒカルだからこそ、USTREAMでライブ丸ごと生中継が実現可能だったのかなぁ、なんてふと思いました。
⑦twitter
まだまだフル活用できていませんが、なんだかんだいってこれが一番大きいのかも。昨日の「拝啓記者クラブ様…」で上杉氏が「ツイッターはアウトプットメディアではなくインプットメディア」と言っていたのですが、私の中でのツイッターの存在はまさしくその通りだな、と。上記にあげたニコニコ生放送やUSTREAMの宇多田ライブはtwitterが無ければスルーしていた可能性大。もちろん、独り言のようなつぶやきもタイムラインには流れてきますが、有益な情報に触れる機会が多々あることは否めません。まさに情報の宝庫です。
…ということでネットメディアのパワーを強く感じ、また日本という国を様々な角度から改めて見つめ直すことができた4ヶ月間でもありました。2011年も引き続き上記メディアを使ってNIPPON watchingしていきますが、それに加えてスウェーデンのメディア及びジャーナリズムの事情についても色々勉強してみようと思っております。
また来年も宜しくお願い致します。